企業出版、成功の第一歩は「目的づくり」

出版の目的を著者自身が決め、その目的に沿った本をつくれるのが企業出版の魅力であり、また逆にいえば出版の目的がなければ書籍づくりのスタートラインに立てない、というのも企業出版ということでした(企業出版、成功への道――出版の目的①)。

では企業出版における出版の目的とはどのようなものがあるのでしょう。

一般には次のような目的が考えられます。

・自身や自社のブランディング
・ビジネスモデルや自社の強みの差別化・アピール
・業績や売り上げアップ
・集客
・リクルート
・業界内でのポジションアップ
etc……

もちろん上記のような目的で問題はありませんが、できるならばもう少し絞り込んだ目的を定めたいものです。

企業出版成功企業のケーススタディ

以前、あるものづくり企業の本づくりに携わったとき、著者である社長さんの出版の目的は明確でした。

自社のブランディングという大目的とともに、〝リクルート〟という小目的を定めておられました。

さらに現役書籍ライターならではの現場目線でのポイントは、小目的を具現化するための内容にまで踏み込んでイメージされていたことです。具体的には将来の社員に自社の魅力を知らしめるための手段として、現場の奮闘を描きたい――そんな思いを抱かれていたのです。

その目的と思いによって構成の中心が現場のプロジェクトストーリーとなり、取材対象者の中心も現場の技術者になりました。

目的が明確だからこそ、本の軸が決まり、構成の軸が定まり、取材対象者と取材内容が決まる。これが企業出版、成功への道の第一歩です。

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企業出版、成功への道――出版の目的②
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