なぜいま企業出版なのか?

それは「著者の信頼」と「情報の価値」を高め、ブランディング戦略として活用できるツールだからです。

インターネットの普及で誰でも手軽に情報を扱えるようになりました。

ウェブサイトはもちろん、ブログ、Twitter、Facebook、YouTube、Podcastなどの無料で使えるSNSツールを駆使することで、自社や自身をPRしたり、思いや主張を自在に発信できます。

さらに4大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)が中心だったネット以前と違い、現在はネット広告を利用すれば、コストを抑えながらターゲット顧客に的確にアプローチすることも容易になりました。

たしかに便利な時代です。しかし誰もが情報を扱えるデジタル社会を迎えたことで、ふたつの課題が生じるようになりました。

キーワードのひとつは「情報の価値」です。

流通する情報量は増える一方、私たち人間が処理できる情報量には限りがあります。ほとんどの情報は取捨選択され、流されてしまうのです。その結果、ネットに拡散する情報の価値は相対的に低下し、情報の普遍性を保ちにくくなっています。

もうひとつのキーワードは「信頼性」です。

誰もが情報の発信者になれるがゆえ、誰が届けるのか、何を届けるのか――つまり「発信者の信頼性」と「情報そのものの信頼性」が問われるのです。

この情報過多のデジタル社会で信頼を醸成し、普遍的で価値ある情報を届けるためにはどうすればいいのでしょうか?

そこで改めて注目されているのが「書籍の出版」です。なぜなら書籍は選ばれた人のみが出版できる信頼のメディアだからです。

すでに本の出版を実現した人は経験されているように、自身の著作があると一目置かれ、その道のプロフェッショナルとして社会的に認知されるようになります。

しかも書籍はその制作の過程で多くの人の知恵と労力が投入され、情報を伝えたい人に的確に伝わるよう高度な編集がなされています。

インターネットの即時性にはかないませんが、書籍にはプロの手で情報が編まれているという信頼感と普遍性があるのです。

著者主導の本づくりで著者自身のブランディングに役立てる――それが企業出版

この書籍出版のなかでも近年、とりわけ注目されているのが「企業出版」です。

企業出版とは、クライアントが制作費を負担し、クライアントのリクエストに応じて出版社が企画・構成して本を出す形態です。

出版社が制作費を負担し、出版社の主導で本を出す「商業出版」とは異なり、クライアント主導で本づくりができる企業出版で本を出すことで、信頼のメディアである書籍を自社や経営者自身のブランディングツールとして活用できます。

そして企業出版を通じてデジタル社会の課題である著者の信頼と届ける情報の価値をともに高められるのです。

しかも企業出版は個人の作品を発表する自費出版とは違い、あくまで読者が求める情報を提供するのが大前提です。

出版社によってスタンスは異なりますが、企業出版の本づくりはクライアントに言われるままにただ本をつくるのではありません。

クライアントの経験やノウハウ、強みを分析し、それを読者が求める情報に編集して書籍にまとめる企画力、構成力が企業出版の特徴です。著者のひとりよがりの内容に陥ることなく、社会的に意義のある情報として書籍を世に送り出すことができるのです。

つまり企業出版は、クライアントの課題と読者の課題、この両方の解決を通じてクライアントのブランディングにつなげていく手段といえるでしょう。